綺麗な登りが身に付く!~スラブ足だけ課題のすゝめ~

皆さんの通っているジムの壁に”スラブ”はありますか?

スラブがある方はラッキーです!これから紹介するトレーニング法はクライミングの基礎的な技術を強化するトレーニングですので、まだボルダリングに慣れていない初心者の方はもちろん、経験者のさらなるスキルアップにも効果的です!

スラブというと言うのは90°よりも緩やかな壁で、ガバなどの乗りやすいホールドに乗っている場合手を放しても壁から落ちないことも可能です。

また、ボルダリングを始めたばかりの初心者の方が簡単に登れるような課題を設置しているジムが多く、また強い人は強傾斜で登っていることが多いです。

「上達するにはスラブよりも強傾斜をバンバン登ったほうがいいのでは?」と思うかもしれませんが、初心者でも登りやすいからこそ、スラブ課題はクライミングの基礎的なテクニックを習得しやすいのです!

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スラブ足だけ課題とは?

スラブ

photo by Ben B

スラブ足だけ課題というのは、名前の通りスラブを手を使わずに足だけで登る課題です。長くボルダリングを続けている人は一度くらいは出会った事のある課題だと思います。

しかし、ジムにあるテープ課題では設定していないところが多いです。

そんな時は、とりあえずスタートとゴールを決め、そこまでどのホールドを使ってもいいので足だけ使ってゴールを目指すような練習が取り付きやすいと思います。

私が練習している課題を例に出してみると、

  1. スラブ壁の下の方にあるホールドに、手を使わず足だけで乗りスタートします。
  2. そのまま手でホールドを使わないように気を付けながら、足を上げてホールドに乗り込んだり、足を置き換えながらトラバースしながらゴールを目指します。
  3. 普通の課題のようにゴールをマッチして終わり。

だいたいこのようなルールでやっています。

初心者のまだ全て足だけで登ることが難しい方は、途中で手を使ってもいい部分を作るなど、工夫して自分のレベルに合った難易度で練習することが大切です。

基礎が身に付く!スラブ足だけ課題の効果

では先ほど紹介した練習法はどのような効果があるのでしょうか?

私はスラブ足だけ課題を練習することで以下のような4つの効果があると考えています。

  1. 基礎中の基礎”体重移動”
  2. クライミングシューズを使いこなす力
  3. 足を置くポイントを意識する力
  4. 壁に居続けるための”バランス感覚”

それでは、それぞれの効果について詳しく見ていきましょう!

1.基礎中の基礎”体重移動”

クライミングやボルダリングにおいて、体重移動というのは非常に重要な要素です。

ジムで見ていると、強傾斜をスイスイ登っているのにあまり力を使っていないように見える人っていますよね?

このように”綺麗に登るクライマー”というのは、体重移動がとても上手なことがほとんどです。

つまり綺麗に登れるようになるには体重移動の練習は必要不可欠!スラブ足だけ課題はその練習にもなるのです!

○練習法

ではスラブ足だけ課題でどのようなことに意識すれば体重移動が身に付くか、具体的に紹介していきたいと思います。

1.足だけハイステップ

乗っているホールドに安定して立っている状態で、自分の腰の位置にあるホールドに足を上げ、乗り込みましょう。このときホールドに足を上げた後にすぐ立ち上がろうとするのではなく、上げた足に体重を乗せることを意識しながら腰の位置を上げた足に向かって横移動するのがポイントです。

なかなか上手くいかない方は使えそうなホールドを手で持っても大丈夫です。しかしこの時あまり手の力に頼らず、腰を横移動することで体重が上げた足に乗ってくることを意識することが重要です。

2.足だけトラバース

足だけでトラバースしてみましょう。この時、今乗っているホールドの横にあるホールドに足を送ったあと、ハイステップ同様、体を横に移動させながら送った足に体重を乗せていくことを意識してください。

2.クライミングシューズを使いこなす力

クライミングシューズを使いこなすことは、初心者の方には是非早く習得してもらいたいです。シューズを使いこなせるようになると、シューズに頼れる部分が増えるため、いままで苦戦してきたことが楽にできるようになるかもしれません。

なによりシューズを使いこなせると、壁の中でできることの自由度が上がるので、ボルダリングがもっと楽しめるようになりますよ!

また、腕や肩の力を必要以上に使ってしまっている人は、シューズを信用しきれていない可能性があります。シューズを上手に使えるようになると腕や肩の力をセーブでき、持久力向上にも繋がります。

それではクライミングシューズを使いこなすとはどのようなことなのでしょうか?

上げればキリがないほどシューズは奥が深いのですが、今回のスラブ足だけ課題においては、ソールの特性シューズって意外と滑らないことシューズが滑ってしまう感覚について意識して練習してもらいたいです。

まずソールの特性ですが、ソールと言うのはホールドとの接地面積と接地面に掛っている力によって摩擦力が決まります。

すなわち接地面積とソールにかかっている力が大きければ滑りづらくなるのですが、慣れていない人はそのことがわかっていないため、ホールドにどのように足を置くと滑りづらいのかという経験が少ないです。

また、シューズが意外と滑らないということを分かってもらいたいのは、必要以上に腕や肩に力をいれて、ガッチガチにホールドを握りしめてしまう人です。

そのような人は基本的に、足を滑らせてしまい落ちるのを怖がっているため、シューズを信じることができず上半身に力が入りすぎてしまうのだと思います。

特に危ない落ち方を経験してトラウマになってしまっている人はこのような傾向が強いのではないでしょうか。

確かに思わぬところで足を滑らせるのは怖いです…。しかし、足を信じて上半身の力を節約できるようになることで、持久力の向上とムーブの幅の広がりを期待できます。

そこで、スラブ足だけ課題によって、シューズって意外と滑らない!という経験と、同時にこんな感覚の時にシューズって滑るんだ…という経験をすることがシューズを使いこなす第一歩です。

また、この2つの感覚がついてくると、シューズとホールド間のグリップ力の制御もスムーズに行えるようになり、カウンターやキョン、足の置き換えといったつま先をホールドの上で回転させるような動きのキレも上がると考えています。

○練習法

1.ホールドに足だけで乗って、できる限り踵を下げてみる

自分のレベルに合ったスタンス(ホールド)を選択して、そのスタンスに乗っている片足の踵を下げて行ってみましょう。この時、もう一方の足はガバなどの比較的安定したホールドで行うと取り付きやすいと思います。

踵を下げていくことで、ホールドとシューズの接地面積が変わります。そして角度による滑らなさの違いを感じ取ることで、どの角度がスラブでシューズが滑りづらい角度なのかという経験値を貯めることができます。

そして「この角度が一番グリップ力が強いぞ」と感じたら少しずつ角度を調整した足に体重をかけていきます。

選択したホールドにもよりますが、「思いのほかシューズって滑らないんだな」と感じてもらえると思います。

この”滑らない”という経験が、ムーブの幅を広げ、いざというときの強度の高い一手の成功率につながります。

2.ガバをもって乗っているホールドから足を滑らせてみる

足だけ課題じゃないではないか!と言われてしまうのは仕方がないですが、スラブ練習法の一つとして紹介させてください。

まず、ガバを持って片方の足も安定したホールドに乗ってください。そしてもう一方の足は適当なスタンス(ホールド)に置いてください。

次に適当なスタンスの方に乗せた足に体重を少し乗せた後、危なくない程度に足を滑らせてみてください。

この時、自分の足の力で滑らせるのではなく、あくまで体重を足に乗せたため滑ったという状態を作ってください。

また、足を滑らせるのは不確定要素が大きいため、危険度が高いです。もしかしたら怪我をする可能性もあるため、自分が壁から思わぬ形で転落して怪我をしないと思える範囲で行うか、初心者で自信のない方はまだ行わないほうがいいかもしれません。

結果何が言いたいのかというと、この練習ではどのような状態だと足が滑るのか、足が滑るとはどのような感覚なのかを、スラブという余裕をもって練習できる壁で行って欲しいということです。

なので普段のスラブ以外で登るときでも、余裕があるときは足に意識を持っていき、今どれくらい足に体重を乗せられているのか、あとどれくらい体重を乗せると滑りそうかを意識して練習することで、この練習法に似たような練習になると思います。

3.足を置くポイントを意識する力

スラブ足だけ課題をすることで、ホールドのどの位置に足を置くかいつも以上に意識するようになります。

スラブ以外のどの壁や課題に置いても、足を置くポイントというのは重要です。

いつもは手にも意識をもっていかなければいけませんが、スラブ足だけ課題では特に足に意識を持っていきやすいので、足置きのトレーニングに効果があると考えています。

特にこれといった練習方法はありませんが、足だけ課題をするときはいつも以上に足を置くポイントに意識を集中させてみてください。

そうすることによって、強傾斜などの様々な部分を意識しなければいけない課題に置いても、正確な足置きが意識できるようになると思います。

4.壁に居続けるための”バランス感覚”

足だけで登るというのは、やってみると分かると思いますが慣れてないとなかなか大変です。

特に初心者の方はスタートするのも難しいと思います。

感覚としては、登っているというよりも綱渡りをしているといった感覚に近く、もはやクライミングってなんだっけ?という気持ちになります。

しかし、このようなバランスをとりながら動くというのはボルダリングの練習には持って来いで、特に体幹や神経系を鍛えられます。

まず体幹ですが、足だけ課題では上手く壁に貼り付けないと上半身が壁から離れそうになってしまいます。壁に手を使って繋がれていないので当たり前ですよね。

そのときに体幹が弱いとそのまま上半身が壁から離れてしまい落ちてしまいます。

しかし体幹がついてくると、壁から離れそうなときに足と上半身を強く連動させることができるため、足を踏ん張れば壁から離れそうな向きとは逆の方に力を加え、耐えることができます。

また、神経系についてですが、壁から剥がれそうになったときに耐えるためには、壁から剥がれそうになったことを脳が認識し、剥がれないように体が反応する、ということをより短時間で行わなければなりません。

バランス感覚が弱い人は、体幹が弱い可能性もありますが、この神経系がまだ発達していないため、脳が認識した後の体の反応が遅いのかもしれません。

そしてこの神経系というのは何回も体に染みこませることによって上達していきます。

足だけ課題をしているときに壁から剥がれそうになるのを耐えるということを何回も行うことによって、バランス感覚の向上が期待できます。

なので、足だけ課題は綱渡りゲームのような感覚で楽しみましょう。

スラブ足だけ課題をするタイミング

綱渡り

photo by McKay Savage

このトレーニングにはやるべきタイミングがあります。

それはアップアップ直後です。

なぜかというと、先ほど説明した神経系が最も発達するのが、体がフレッシュな状態であるときだからです。

なのでヨレヨレなコンディションの時ではなく、元気で調子が良い時がオススメです。

また、疲れている状態だとバランス感覚も落ちているため、壁から転落する可能性が高くなってしまいます。

危険ですので調子が悪いとき、疲れている時は行わないことを勧めます。

まとめ

スラブ足だけ課題のメリットをわかってもらえたでしょうか?

経験者の誰もが考えていると思いますが、ボルダリングにおいて足を使うのは重要です。

今回はスラブの良さについて長ったらしく書きましたが、もちろん他の壁で練習するのも必要です。

いろいろな壁で、いろんな種類の課題に触ることがボルダリングの上達につながりますよ!

スラブ足だけ課題が、あなたのクライミングスタイルのエッセンスになりますようにと思っております。

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